マイナンバーの「通知カード」配布がはじまりました。配布期間は2015年10月~11月ということで、そろそろお手元に届いたという方も多いのではないでしょうか。ところで、このカードをどのように扱うべきか、ナンバーはどこかに知らせる必要があるのか、わからないという方も多いと思います。今回はこのカードの役割や扱い方について、解説します。
まず、今回届くのはあくまで「通知カード」です。名前の通りマイナンバーを通知するもので、住民票を有する全ての住民に対し、簡易書留により郵送されます。いわゆる「マイナンバーカード」と呼ばれ、身分証明にもなるカードがもらえるのは来年1月からです。
通知カードの到着には地域によって差がありますが、最近では誤配送などのニュースもあって、届いていないと心配になってきますね。居住地域の配送状況については、Webページで確認できるので、見てみましょう。都道府県や地名から絞り込んで、確認することができます。
さて、マイナンバーの通知を受け取ったら、そのまま大切にしまっておけばいいというわけではありません。会社員ならナンバーを会社に届ける必要があります。会社が住民税や所得税を申告する際に、マイナンバーが必要になるためです。その他、年金受給者なら年金機構に届けるなど、それぞれ届け先があります。
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ただし、通知カードが届いたからといって、すぐに会社の総務や経理に持って行く必要があるわけではありません。会社のほうでは、現在、マイナンバーの使用目的などを記載した書面を用意しています。書面を受け取ってから、記載された方法で、通知カードのコピーなど必要な書類を用意して、会社に提出するようにしましょう。
マイナンバーについて、会社側ではより厳重な管理をすることが求められています。マイナンバーを扱う部署にいるならこれから短期間でルールについて学ぶ必要があります。eラーニングの教材などを活用する方法もあるでしょう。また、新規にマイナンバーを扱うシステムを導入する会社も増えています。
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・eラーニング「企業が取り組むマイナンバー制度(業務編)」
さて、今回届くのはマイナンバーの通知カードですが、このあと身分証明や行政サービス利用のために「マイナンバーカード」が必要な人は申請します。「マイナンバーカード」の発行は任意で、すぐに申請書を提出することもできますが、カードの受け取りは2016年1月以降となります。申請の際には、自分の顔写真と通知カードを送る必要があり、郵送あるいはオンラインの申請も可能です。
マイナンバーカードには、顔写真、氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーなどが記載されます。個人情報のかたまりみたいなものなので、身分証明として持ち歩く場合には、絶対に落としたりなくしたりしなように、注意が必要です。
マイナンバーカードは身分証明書として利用可能なので、たとえばレンタルビデオ店の会員になる際に使われることもあるでしょう。ただし、このとき必要になるのは住所や氏名の情報だけで、マイナンバーは不要です。店員にマイナンバーカードを見せるとき、ナンバーを見られないよう、シールを貼って隠しておくとよいでしょう。
ただしシールを貼ったままだと行政手続きの際に読み取り機に挿入できなくなるおそれがあります。シールを何枚か用意する、剥がしやすいシールを選ぶなど、準備をしておくと万全です。
2016年以降にはマイナンバーを使用するさまざまな行政サービスがスタートします。安全面に配慮しながら、個人としても会社としても便利に活用するための準備が必要です。
1970年山口県生まれ。1997年に株式会社ジャムハウスを設立。同社の代表取締役として、IT系、教育系書籍の制作、出版を行う。