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マイナンバー対応の人事・給与システムを選ぶポイント

マイナンバー 人事給与 人事/労務 勤怠

マイナンバーの利用・運用・管理に不可欠といえるのが人事・給与システム。ほとんどの企業が何かしらのシステムを利用しマイナンバーの運用管理を始めている、もしくはこれから導入を検討されているとか思います。
今回の【ひとり知っとく情シスコラム】では、人事・給与システムでのマイナンバー対応について考えてみます。

まず考えるべきはセキュリティ

企業規模に応じて様々な人事・給与システムが導入されており、今後、マイナンバーの運用管理を考えると、セキュリティ対策がキモとなります。

システム利用にあたっては、外部とは接続されていない状態で利用するケースもあれば、クラウド上にデータを保管しながらPC内にはデータ保管をしないシンクライアント形式のものを利用するケースもあるでしょう。また専用サーバーで運用されているケースも多くあると思います。

いずれの状態であっても、マイナンバーの運用管理では「外部への漏えい」がないよう厳しく求められていますので、どのような形でシステムを利用するのか、十分に検討しなければいけません。

例えば、小規模の企業で特にシステムを利用せず、紙の状態で管理をする場合、マイナンバーの利用したログ管理も手作業となります。エクセル等で記録保管をする事が想定されますが、手作業の場合、記録ミスや記録モレが心配されます。

またシステムを利用するとしても、外部と接続されない状態でマイナンバーを運用するとした場合、万が一災害が発生したら、事業継続が難しくなってしまいます。マイナンバーデータ自体が紛失するかもしれませんので、適切な状態とはいえないでしょう。

東日本大震災以降は、大企業を中心にBCP(事業継続計画)の重要性が叫ばれ、ネットワークシステムを利用した対応を検討する企業が増えています。

外部への情報漏えいを防ぎ、万が一災害が発生した場合でも事業に支障が生じないという状況を常に担保できるシステムが求められるといえそうです。

では、どういった事がマイナンバーを管理運用するシステムに求められるのでしょう。

人事・給与システムに求められるもの

セキュリティ以外に重視すべきポイントとしては4つあります。 それぞれについて説明してみます。

使いやすいシステム

どのシステムにも求められるものとして、使いやすさがあげられます。
実際にシステムを利用する方は人事業務や労務管理には精通していますが、必ずしもセキュリティに強いわけではなくITリテラシーが高いわけでもありません。

つまり見た目の使いやすさや分かりやすさが大事になります。
今回、多くのシステムで、既存の人事データ管理や給与計算機能に、マイナンバー機能が追加され、既存データとの連携が取れるようになっています。
中には、機能追加にあたり画面デザインが一新され、これまで使えた機能が分かりにくくなっているものもあります。これでは使う側に配慮しているとはいえず、誤動作の元になります。

誤動作を引き起こすという事は、情報漏えいにもつながりかねません。
「使いやすい」「分かりやすい」デザインは大事です。

提出書類の作成

マイナンバーを付加した情報がスムーズに作成できるかも重要です。

マイナンバーを利用する場面は非常に限られており、関係行政への提出や届出でしか利用されません。
例えばハローワークへ提出する書類(入社時の資格取得届、退職時の離職票など)に、システムから自動でマイナンバーが付加され作成されれば、手書きとは異なり間違いもなく安心です。
関係行政への手続きは、書類以外に電子申請でも行う事ができますので、この電子申請用のデータ作成時にも自動でマイナンバーが付加されると、データの再加工が必要なくなり非常に使いやすいものとなります。

運用管理のための機能

マイナンバーを取得し、本人確認をし、必要に応じて行政手続きに利用するため提出をし、退職したら削除する。
この一連の利用状況を記録し保管する事が求められています。

手書きやエクセル等でも記録保管はできますが、従業員数が多いと、なかなかそうはいきません。やはりシステムでの運用管理の出番です。

このマイナンバー利用記録をシステム上でいかにスムーズに管理してくれるかがポイントです。
利用した経緯から全てを入力する形なのか、個々のマイナンバーデータにアクセスした段階で自動的にログを取り管理をしてくれるのか、システムの仕様によって異なります。

利用する側の目線でいくと、マイナンバーデータにアクセスした段階で自動的にログを取り、さらに何の行政手続きに利用したのかを入力でき、一連の管理をしてくれる方が使いやすいのではないでしょうか。

社員が退職したり、扶養親族が扶養から外れた際に、マイナンバーデータを削除する必要が生じますので、削除したときの削除証明がシステムで自動作成される機能があると、実務上でも助かるでしょう。

マイナンバーに特化した本人確認機能

またマイナンバーに限ってみれば、取得時の入力や本人確認機能が充実しているかどうかもポイントのひとつになります。

システムによって、マイナンバーの入力を従業員本人ができるものもあれば、取扱い担当者側でしか入力できないものもあります。
マイナンバーの入力を従業員本人ができる場合、マイナンバーを手入力するだけではなく、スマートフォンで撮った画像から番号を読み取れる機能があると使いやすいですし、本人確認資料も画像をアップロードする事ができれば、データ管理も容易になります。
アップロードされたデータを、取扱い担当者側で本人確認しログを残すだけで済みます。

まとめ

これまで蓄積されてきた人事情報にプラスで管理する事になるマイナンバー情報。
中小企業では給与関係の業務を1人の方が担当(場合によっては経理と兼務)していることも少なくなく、今回のマイナンバー制度スタートで最もストレスがかかっている人だと思います。こういった状況は、作業ミスに繋がりやすいと言えます。
また、担当者が変わる際の引継ぎも不十分になることも、中小企業では多く見受けられます。

人事・給与システム上でストレスなく、かつ新しい人でも簡単にマイナンバーの運用管理ができると、リスク対策にもなりますし業務効率アップにつながる事は間違いありません。

この記事のライター
成澤 紀美(なりさわ きみ)

株式会社スマイング取締役。
SEを経験した後、社会保険労務士を取得し独立。
人事労務のホームドクターとして、中小企業向けに人事労務関連サービスをワンストップで提供している。

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