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働き方変革 ~その効果と、実現に向けたITの重要性~

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少子高齢化が、「生産年齢人口の減少」という形で産業界にも影響を及ぼしつつあります。
内閣府の「平成28年版高齢社会白書」によると、平成27年10月1日時点での生産年齢人口(15~64歳)は7,708万人。そして、「平成39(2027)年には6,980万人と7,000万人を割り、72(2060)年には4,418万人になると推計されている」としています。
つまり、10年後には単純計算で約700万人も生産年齢人口が減少するということになります。

こうした中、より多くの従業員が高い生産性を生み出すことのできる組織を目指して、働き方変革に取り組む企業が増えています。

そこで、このコラムでは、働き方変革が企業にどのような効果もたらすのかを考えます。さらに、働き方変革に取り組むうえでのITを活用することの重要性、および簡単な例を紹介します。




働き方変革は、どのような効果をもたらす?

まずは、働き方変革が企業にどのような効果をもたらす可能性があるのかを見ていきましょう。
働き方変革がもたらす効果には、次のようなものがあります。

効果(1)/労働生産性の向上

非定型業務の定型業務化や、ルーティンワークの自動化といった形で働き方変革を実行することによって、労働生産性の向上を期待できます。
大がかりな変革ではなくとも、社内会議や客先での商談に伴う拠点間の移動や、不要なドキュメントの作成といった日々の小さなムダを発見し変革していくことによっても、本来注力すべき業務に専念できるようになり、労働生産性の向上を果たせるでしょう。

効果(2)/働き方の多様化による従業員定着率の改善

時短勤務や在宅勤務の導入といった働き方変革に取り組むことで、従業員は仕事をしながら育児や介護にあたることができるようになるでしょう。そうすれば、これまでであれば退職を余儀なくされていた従業員も勤務を継続できます。そのため、従業員の定着率が改善するはずです。

効果(3)/企業イメージ向上に伴う優秀な人材の獲得

経済的な安定性を獲得した日本において、給与だけではなく「働きやすさ」を職場選びで重要視する人が多くなりました。一方で、生産年齢人口の減少に伴って、今後は人材の確保がこれまで以上に難しくなります。
そんな中で自社の求める人材を確保するには、「働きやすい職場であること」が重要なアピールポイントになります。「残業ゼロ」「有給休暇完全消化達成」「時短勤務・在宅勤務有」といった働き方変革に取り組んでいることが、人材採用にもプラスに作用する可能性が高いでしょう。

働き方変革はこのような効果をもたらすため、コスト削減や生産性の向上といった形で企業の業績向上へとつながっていくはずです。



ルールを変えるだけでは、働き方変革によって業績が悪化してしまうかも...?

とはいえ、就業規則や給与規定、人事考課といった自社のルールを変更しただけでは、かえって業績が悪化してしまう可能性も...。働き方変革に向けた枠組みが整ったとしても、それを実行できる業務環境が整っていなければ、日々の業務で様々なトラブルが発生し、生産性が低下して業績が悪化してしまいかねないからです。

では、具体的にどのような形で業務環境を整えていけば良いのでしょうか?

在宅勤務やリモートワークを導入する場合には、社外で勤務する従業員と円滑にコミュニケーションを図ることのできる手段が必要です。また、社外で勤務する従業員についても人事考課において公正に評価するためには、適切に勤怠状況を管理できる仕組みも欠かせません。

在宅勤務やリモートワークのほかにも、家族の介護や子の育児に当たる必要のある従業員からのニーズに応えて、フレックスタイム制の勤務形態を導入する企業も少なくありません。
フレックスタイム制を導入した場合には、同じプロジェクトにかかわる従業員が異なる時間に勤務し作業を進めるという状況が常態化します。そのため、業務上必要となる情報を漏れなく確実に共有できる仕組みが必要となるでしょう。

働き方変革という意味では、ワークライフバランスの適正化に取り組む企業も多くなっています。長時間労働や過労死が新聞やTVニュースで取り上げられている昨今、勤務時間の短縮は企業にとっての重要な経営課題のひとつです。2017年に始まった「プレミアムフライデー」も、こうした世相を反映していると言えるかもしれません。
とはいえ、ワークライフバランスを適正化しながらも、組織全体としては業績の向上を目指していく必要があります。そのためには、従業員一人ひとりの生産性を高めなければなりません。

働き方変革と業績向上を両立するには、このような形で業務環境を整える必要があります。

そこで考える必要があるのが、ITの活用です。



ITの活用がカギとなる働き方変革と業績向上の両立

活用例(1)

社外で勤務する従業員とのコミュニケーション手段としては、Web会議システムやテレビ会議システムが効果を発揮するでしょう。対面で会話するのと同じような感覚で、コミュニケーションを図ることができます。

活用例(2)

テキストベースのコミュニケーション手段としては、チャットツールを活用するのも効果的です。従来のメールよりも気軽にコミュニケーションを図ることができるため、社内での利用に最適です。
最近では、ストレージ機能やセキュリティ機能を強化したビジネスチャットツールも登場しています。

活用例(3)

勤怠管理の方法としては、クラウドベースの勤怠管理システムの利用が効果的です。自宅や外出先からも、勤怠報告や業務報告を簡単に申請することができるでしょう。

活用例(4)

情報共有の仕組みとしては、クラウドストレージサービスの利用が有力な選択肢となるはずです。最近では、PCだけではなくスマートフォンやタブレットでも利用できるサービスも登場しているため、情報共有をさらに徹底することができます。

また、これらのITを活用することは全社的な業務の効率化やコミュニケーションの円滑化といった形で生産性の向上につながるはずです。
機械学習や人工知能、VR、3D技術といった最新のITを駆使したツールを積極的に活用していくことも、既存の業務を効率化あるいは自動化できる可能性があるため、検討の余地があります。たとえば、機械学習については、すでに営業支援ツールやマーケティング・オートメーションツールといった領域で活用が進んでいます。

今回ご紹介したように、働き方変革に取り組む上では、それを実現できる業務環境を整える必要があります。そして、ITを活用することによって働きやすく、かつ業績も向上していくことのできる業務環境を整えることができるでしょう。

この記事のライター
落合純平(おちあい じゅんぺい)

株式会社ネクストアド B2Bコンテンツマネージャー。
IT製品の紹介ページやナーチャリングコラム、メールマガジンの制作を数多く請け負い、サーバ、ネットワーク、仮想化基盤といった専門的な分野から、クラウドやモバイルといったトレンド分野まで、幅広いジャンルのWebコンテンツを制作。

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